誤解が多い”投げ銭”のはなし

誤解が多い”投げ銭”のはなし

投げ銭は入れるも入れないも自由

大道芸人、パフォーマーのたっきんです!

先日SNSでとある投稿がありました。
内容的には

  • 配信されている方がたまたま大道芸と出会った
  • 20分程度見ていた
  • 大道芸人さんが「配信等はNGで」と言っていたが、知らずにすでに生配信してしまっていた
  • 配信してしまった手前、投げ銭しないのは悪いと思った(ような発言があった)
  • お財布の中に1万円札しかなくて、それを入れるしかなかった

こういった内容での配信で、
「帰るお金がない…」と映像にはありました。

その大道芸人さんが悪いとか、
その配信をされていた方が悪いとかそういう話では一歳なくて、

「投げ銭」というものに対して誤解があるなーと思ったので今日の記事を。

結論としては、

投げ銭は入れるも入れないも自由。
強制するものでは決してありません。
ただ、大道芸人さん側も強制と受け取られないように伝え方の工夫・努力をしているし、
それを怠ってはいけない

というところです。

投げ銭の口上

大道芸人さんってかなり大きく分けると2種類かなーと思います。

  • イベント主体でパフォーマンスされる方
  • 一般的によくイメージされるストリート(駅前とか)でパフォーマンスされる

前者は主にギャランティ、後者は投げ銭が多いのかな。
もちろん一方のみ、ということではなくて、
みなさんいろいろ活動されてます。

投げ銭で生計を立てて仕事としている手前、
いろいろ勉強をしたり、
何を伝えたいかを整理して「投げ銭の口上」が出来ます。

ただ日本はやっぱり「お金の話をするのは汚いこと」みたいな文化がありますよね。
だから投げ銭の口上ってとってもシビアで、
一番気を使わないといけないところです。

投げ銭の口上もいろいろあって、

  • 「楽しんでいただけたら1000円、つまらなかったら0円で大丈夫です。
    僕のパフォーマンス、生き方に対する評価をお願い致します。」
  • 「楽しんでいただけたらそのお気持ちをわかりやすい形に変えてください。」
  • 「いろいろな応援、ありがとうございます。あとひとつ、生活の応援のはなしを…。」
  • 皆様のお気持ちが、この大道芸という文化を支えます。

とかいろいろ。
最近増えてきた形だと、

「ラスト、○○○。それでお気持ちが2枚、3枚と増えると嬉しいです。」

※○○○には、例えば「さらに体を張ります。」とか、「決まるかわかりませんが、チャレンジさせてください。(それで成功したら~)」。と芸によって変化します。

といったものも。
…僕はこの伝え方はどうも嘘っぽくて嫌いです(^^;

投げ銭の口上で気をつけていること

投げ銭の口上をする上で気をつけなきゃいけないことって本当にたくさんあるんですが、
その中でもいくつか注意している点としては

  • 絶対に強制と取られないようにすること
  • 100%真実のみ
  • 1000円でも100円でもなんでも良い

この3つは重点的に。
嘘はつかないし、1000円を入れてくださった方にも100円を入れてくださった方にも
「ありがとうございます。」と伝えます。

それがお客様の僕に対する「評価」だからです。

ただ、お客様によってだったり、
その時のショーの雰囲気によっては同じ口上をしていても強制と取られてしまうことがあるので、
めちゃくちゃ難しいところです(^^;

先の動画の件

冒頭の投稿について、配信された方はおそらく初めて大道芸と出会ったのかな?
と思います。

あと配信で収益を得られている方の配信する上でのマナーみたいなものがあるのかな〜とも思いました。
(配信で収益を得ている以上、生配信で流してしまったから代金を払わないと、みたいな)
よく知りませんが(^^;

で、今回の件で僕なりに思うのは

「配信等はNGで」

大道芸はやっぱり生のライブ感が一番楽しいです。
だから配信等、映像だとそのライブ感が半減してしまう部分もある。
その映像が自分の評価に、仕事に影響することがあるから控えてほしい、
という点で伝えたんだと思います。
生の空間、熱量含めたエンターテイメントであって、
自分の意としないところで拡散されて評価が下がるのを避けたいんです。

ただ、最後の最後にだけそれを言うのではなく、
途中で伝えたり、何か”撮影NG”とわかる札?のようなものを掲示していた方が
良さそうだなと今回の件で勉強になりました。

「投げ銭しないのは悪い」んじゃないかという気持ち

絶対にそんなことはありません。

そのお気持ちは大変ありがたいものです。
ただ、「投げ銭しないのは悪い」というお気持ちだと、
こちらも喜んで受け取りにくい。

手持ちがなければ口で「楽しかった」と伝えていただければいいし、
帰りの足代を削ってまで入れてくださるのはお気持ちはありがたいけど、
申し訳なさが先に立ちます。

純粋に楽しかったら入れて、つまらなかったら入れない。

それでいいと思います。
我々大道芸人もそれを承知の上で大道芸をやっている人が
ほとんどじゃないかな。

1万円札しかなくてそれを入れるしかなかった

絶対に入れなきゃいけないものではないので、
大前提として”余裕があれば”でいいと思います。

過去に1万円札しかなくて、でも気持ちを渡したいというお客様から

「両替できますか?」

というご相談もありました。

その時のショーでいただいた1000円(帽子に入れていただいたもの)で両替は出来ないので、
僕自身のお財布から両替をします。

お財布をひっくり返して小銭を全て入れてくださる方もいます。

商品券をくださる方もいます。

手紙をくれる小さな子もいます。

なんでもいいんだと思ってます。

収益になるかは自己責任だし、
入れるも入れないも自由。

収益に繋がらなければ次頑張らなきゃって思うし、
収益につながれば評価されたと思えるので嬉しい。

それが大道芸かなと僕は思います。

超余談ですが…
僕は商品券の使い方をいまいち分かっていなくて
いただいた商品券は妻に全てプレゼントしています。
いただいた商品券で妻のご機嫌アップ!家庭円満!
商品券も大歓迎です!

何年経っても答えは出ない

お金が関わることだからこそ、
誤解も多くて、とても慎重にならないといけないところ。

でも自分の生活もかかっているし、
1日にショーがやれる回数も限られているので
1回1回にかける気持ちはある。

とってもバランスが難しいところです(^^;

強く出て収益を上げるか?

収益よりも気持ちよく終わることを選ぶか?

いろんな選択肢があります。

それに、大道芸人という職業がいまだに社会的に認められていなくて、
低く見られがちなのも、
この投げ銭が絡んでいると思っています。

何が正解で、
何が不正解かは人それぞれ。

大道芸だけで生きてきて10年以上経ちましたが、
何が正解かはわかりません(^^;

ただひとつ、

「嘘をつかない」こと。

これだけが正解ってことしかない。

今回のSNSの投稿に関して、
むしろこれが一般的な感覚とも受け取れます。

僕達は芸を通して伝える仕事。
だからこそ伝え方には十分注意しないといけない。

言葉選び

伝える際のトーンや立ち位置、立ち方

ちょっと変わるだけで威圧的だったり、
むしろ自信なさそうだったり見え方が変わりますからね。

これからもぶつかり続ける問題ですが、
ひとつひとつ自分なりの答えを出していくしかないなーと思います。

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